もの忘れ・BPSD(認知症)の治療


認知症とは?
認知症は、記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障をきたす病気です。
現在の医療では、認知症を完全に治すことは難しいですが、症状の進行を遅らせ、ご本人と介護者の負担を軽減するための治療が行われます。
BPSD(認知症の行動・心理症状)とは?
BPSDとは、認知症の中核症状(記憶障害、判断力低下など)に伴って現れる、行動や心理の症状のことです。 例えば、怒りっぽくなる、妄想や幻覚を見る、不眠、暴力、徘徊などがあります。
当院の治療方針
当院のもの忘れ・BPSD(認知症)の相談では、認知症患者さんの易怒・妄想幻覚・不眠・暴力暴言・徘徊・介護抵抗・過食などBPSDの陽性症状を「適切な薬物療法」を通して改善することで、患者さんご自身に楽になっていただくのはもちろん、何より頑張って介護しておられる方々の負担を減らすことを大きな目標としています。
BPSDの陽性症状に対しての薬物療法、と聞くと認知症患者さんを薬で無理やり抑えつける、というイメージを持たれる方もおられるかもしれません。
しかし患者さんのその時その時の症状をきちんと把握した上で、その症状にふさわしいお薬を適切な量だけ用いることで患者さんにとっても負担の少ない治療を行うことが可能です。
また当院では、BPSDの症状にも効果があるとされている健康食品(サプリメント)の併用も推奨しています。(私費)
当院のもの忘れ・BPSD(認知症)の相談では、BPSDの陽性症状を呈しておられる認知症患者さんへの「適切な薬物療法」を通して、介護されておられる方々に1日でも早く楽になっていただくことを目標に診療を行っています。
上記のようなBPSDの陽性症状でお困りの方は、一度相談されてみてはいかがでしょうか?

介護者の方へ
介護を続けるための介護者(ご家族)本人のケアについて
認知症のご本人を家族で介護することは、1日の24時間、そして365日の生活の中での介護ですから、ストレスが貯蓄され、体力も精神力もつきはてる結果、燃え尽き症候群、あるいは、うつ状態を招くこともあります。
それを防ぐためには、普段からの介護ストレスを少しでも軽くする工夫、一人で抱え込まないこと、外からの援助を求めることが大切です。
認知症の症状が改善することで、介護者の負担を軽減します。
一人で抱え込まず、外部の支援を積極的に活用しましょう。
介護の心がけ
1.安心感が大切
ご本人の好きな音楽をかける、興味を持っているものを身近に置くなど、不安な気持ちを和らげましょう。
一緒にお茶を飲んだり、話を聞いたりする時間を持つことで気分が落ち着き安心感を得られます。
2.否定しない
間違ったことを言っても、大きな支障がなければ否定してはいけません。
否定的な言葉や態度は、ご本人が不安になるばかりでなく、介護者に不信感を抱く原因になります。
3.ペースを合わせる
介護にあせりは禁物です。せかさずゆっくり見守ることが大切です。
4.できることをできるだけ
ご本人のできることを見つけ手伝ってもらいましょう。
小さなことでも役割をつくることで自信がつき気分が安定します。
介護者自身のケア
介護者はストレスを溜めやすいので、自分のケアも忘れずに行いましょう。
認知症Q&A
Q認知症は治るんですか?
A認知症の中核症状は、抗認知症薬で進行を遅らせることはできても、治すことは困難です。
しかし、BPSDの陽性症状はそれぞれの症状に合った薬を処方することで症状のコントロールすることが可能です。
介護が困難となっている症状(怒りっぽい、暴力を振るうなど)でお困りであれば、一度相談をされてみてはいかがでしょうか?
Q興奮状態の原因は?
A原因として番多いのは、薬の影響が考えられます。
特に抗認知症薬による興奮状態です。
認知症の治療のために使われている薬の副作用でかえって興奮状態となる場合がかなりの頻度で見受けられるのです。
介護をしている方は、一度飲まれているお薬で興奮状態になっていないかチェックしてみることをお勧めします。
Q家族ができることは?
A当院では、医師と相談をしながら、介護される方が患者さんに飲ませる薬を調整することをお勧めしています。
身近で観察しておられる介護者の方々が、患者さんの様子を観察しながら一番あう薬を調節して飲ませて頂きたいと考えています。
Qどのような検査を行うのですか?
A心理検査、血液検査など行います。
必要に応じて画像検査を、他の医療機関に依頼することもあります。